【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜
「もしかして、数年前は頻繁に研究室に出入りしていたけれど、今はめったに見かけなくなったといわれているのは、この出来事が原因ですか?」

「そうだ。俺は経営者だから」

「でも、好きなのですよね?」

 私の問いに、貴富さんは目を見開いた。

「好きなら、趣味としてでもなんでも、やり続けるべきです」

 私の言葉に貴富さんは、噛みしめるようにしばらく黙り込み、そして晴れやかな笑顔を見せた。

「趣味が研究って変だよな」

「大丈夫です、みんな社長が変人だって知っていますから」

「え……」

貴富さんは複雑そうな表情で顔をひきつらせた。どうやらみんなから変人だと思われていることに本人は気がついていなかったらしい。失言した。
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