【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜

御曹司でありながらその身分を隠し、実力でデビューを果たした将来有望な漫画家と兄が紹介され、その奇抜な経歴が多くの著名な参列者から絶賛され、祖母も満足そうだった。

あれだけ「漫画家なんて恥ずかしい」と言っていたのに、一転して変わる。厄介な人だが、ある意味単純でもある。

兄の結婚式も無事に終わり、今度はいよいよ我々の結婚式だ。

我々の結婚に反対していた祖母も、芳美が紹介した薬がよく効いたみたいで、すっかり気に入っている。一番懸念していた人も、芳美自身の手柄によって攻略してしまった。

芳美は素晴らしい女性だ。

それに、さぞかし芳美は美しい花嫁になるに違いない、と楽しみにしていたら……。

「私、結婚式やりたくないです」

まさかの花嫁が結婚式を拒絶してきた。

「どうしてだ⁉」

　女性はみな結婚式に憧れがあると思っていたので、慌てふためいた。

　芳美さんのウェディングドレス姿を見られないなんてと呆然自失する。

　理由を言い渋る芳美さんから、なんとか聞き出すと、あの大規模結婚式に出席してしまったせいらしい。