【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜
「いえいえ、そんなっ! 悪いのは私なので。もしかして、社長が助けてくれたのですか?」

「ええ、すぐに飛び込んで救出しました。溺れたわけではないのに目を覚まさなかったので本当に心配しました。着物などはホテルの女性スタッフの方が着替えさせてくれました。着物は濡れてしまったのでクリーニング中です」

 社長が飛び込んで助けてくれた。そうか、だから社長はスーツではないし、髪もおろしているのか。

 申し訳ないという気持ちを飛び越えて、再び気絶してしまいたい。

「本当にすみませんでした。なにからなにまで……」

「いいえ、有紗さんを介抱できて幸せでした」

 社長はとろけるような笑顔で言った。

(介抱できて幸せ?)

 なんだろう、ナイチンゲール的な奉仕の精神なのかな。
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