【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜
「今、何時でしょうか?」

「夜の十一時です」

「そんなに寝ていたのですね、私」

「主治医いわく、〝爆睡〟だそうです。よほど疲れていたのでしょうね」

 ああ、もう色々と恥ずかしい。お酒飲んで爆睡して迷惑かけるって、なんなの、もう!

「徹夜していたのでそのせいかと。恥ずかしながら、おかげですっきりです。ご迷惑お掛けしました、帰ります」

 起き上がろうとすると、社長は真剣な顔で私の肩を抑えて制した。

「こんな夜遅くにいけません。泊まっていってください」

「いやでも、そこまでご迷惑をお掛けするわけには……」

「迷惑なんてとんでもない。むしろ光栄なくらいです」

(光栄? なぜ?)

 ちょっとさっきから社長の言葉選びが意味不明なところはあるけれど、きっと世話好きな人なのかなと自分を納得させる。

 あまりに社長の目が本気なので、ここで帰ったら逆に叱られそうだ。
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