【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜
 タオルやドライヤーの場所などを説明すると、社長は脱衣所から出て行った。

 バスローブを脱ぎ、お風呂に入る。大きな浴槽にはなみなみとお湯が張っていて、高品質のタイルが床から壁まで贅沢に使用されている。

 水垢一つないクロム製の蛇口とシャワーヘッドが取り付けられ、壁には音楽を楽しむためのステレオシステムとテレビまで備えられていた。

 湯船に浸かりながら、社長と交わした会話を一つ一つ記憶に刻むように思い出していく。

 社長の笑顔、社長の仕草。会話以上に強烈に覚えている。

(憧れの芸能人とお話できたら、こんな心境なのかな)

 まさか社長の家で、お風呂まで使わせていただくことになるなんて。

(あのベッドでいつも社長は寝ているのよね)

 想像しただけで顔が熱くなる。のぼせる前に急いでお風呂から上がった。

 ドライヤーで髪を乾かし、バスローブを羽織る。下着をはいていないので、心許ない。

 普段からスッピンなので化粧を落とした姿には抵抗はないけれど、ノーパンで社長の前に立つのはさすがに抵抗がある。
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