【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜
「私は……よく、わかりません……」

 だってそもそも、比べる相手がいないのだもの。これが普通かどうかわからない。

「わかった、試してみよう」

(どうしてそうなるの⁉)

 と思ったときには、社長の唇が押し当てられていた。

 体の奥が打ち震えた。唇が触れて、身体が密着する。それだけで、頭の奥が痺れるような甘い刺激に酔いしれた。

 キスはどんどん激しさを増していく。苦しくなって、ほんの少し口を開けたら、そこから強引に舌が侵入してきた。

 舌が絡め合う。ただそれだけのことなのに、どうしてこんなに気持ちいいのだろう。

 夢見心地になり、思考が上手く働かなくなった頃、バスローブの紐がほどかされた。生まれたままの姿が現れる。

「そうか、下着を履いていなかったのだね」

 恥ずかしくて慌てて隠そうとすると、両手を頭の上で封じられた。

「ダメだよ、こんなに綺麗な体を隠しては」
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