【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜
「最初から駄目だろ。結婚する気はないって言っておきながら初日に抱いて、二回目に会った時もやろうとしたら、それは遊ばれているって思うだろ」

「でも、ちゃんと責任は取るって言ったぞ!」

「なんだよ、責任って」

「そりゃ、結婚を前提に」

「結婚⁉ 結婚する気はないって言ったのに⁉」

「それは有紗さんの人となりを知らなかったからで。俺の中ではもう、このお見合いは順調に進んでいるものだと思っていた」

「いやいやいや、それ彼女に伝えた?」

「伝えていない」

「言わなきゃわかるはずないだろ」

 正論が胸に突き刺さる。確かに、言われてみたらその通りだ。

 自分の中ではもう、有紗さんと結婚するものだと思っていた。そういえば、結婚する気はないと言っていたのだった。それに、有紗さんもお見合いは断るつもりだったと言っていた。

「実は、有紗さんは処女だった」

「うっわ、かわいそう。しかも初日だろ? かなり傷ついていると思うよ、その子」

「確かに」
< 72 / 247 >

この作品をシェア

pagetop