【改稿版】身代わりお見合い婚〜溺愛社長と子作りミッション〜
 名前を呼ばれて相談室に入ると、白衣を着た美丈夫が椅子に座っていた。

 部屋の中は広々としていて、本棚やテーブル、リクライニングチェアなどが置かれていて、静かで落ち着いた空間だった。

 医師とみられる男の人は、社長と同い年くらいの若さで、華やかで快活な雰囲気を醸し出していた。

「今日はどうしましたか?」

 想像よりも低い美麗な声だった。でも私は社長の甘い声の方が好きだし、ちょっと影のあるなにを考えているかわからないミステリアスな雰囲気を醸し出している社長の方がタイプだ。って、なにを考えているのだ、私は。

「最近、寝ようとしても眠れなくて」

「食事は取れていますか?」

「昼は食べていますが、朝や夜はエナジードリンクだけとか」

「あれはカフェインが多く入っているので夜に飲むのはオススメできません」

「そうですよね、わかってはいるのですけど」

「依存性も高いので気をつけてください」

「はい」

 普通に注意されている私。まともな大人になりたい。
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