難攻不落の女
「あのねえ、部長だから凄いとかそういうのはないんだよ。役割分担の中のひとつでしかないんだからさ。笹目くんも、仕事でどこの会社行ってもさ、誰に対してもへりくだったりせず、堂々としていていいんだよ。頑張ってね」
「一つ訊いてもいいですか」
「何、まだあるの」
呆気にとられながらも、聞く態勢を取る。
「宇美さんは毎日三食外食してるって聞いたんですけれど、仕事終わった後って、このあたりで飲んでるんですか」
「このへん結構良い店あるからね。総務部の子たちが毎週飲み会してて詳しいから、訊いてみるといいよ。それともなんだ、私に人生相談か? それとも福永くんの文句とか」
以前彼を連れてここに来ていた先輩社員の名前を出すと、違いますよお、と声を上げ、飼い主を待つ仔犬のように寂しげな目を向けてきた。
「一つ訊いてもいいですか」
「何、まだあるの」
呆気にとられながらも、聞く態勢を取る。
「宇美さんは毎日三食外食してるって聞いたんですけれど、仕事終わった後って、このあたりで飲んでるんですか」
「このへん結構良い店あるからね。総務部の子たちが毎週飲み会してて詳しいから、訊いてみるといいよ。それともなんだ、私に人生相談か? それとも福永くんの文句とか」
以前彼を連れてここに来ていた先輩社員の名前を出すと、違いますよお、と声を上げ、飼い主を待つ仔犬のように寂しげな目を向けてきた。