足湯と君は居場所【BLピュア】
第3話*女装
*優斗視点
六月。春と夏の香りが混ざる季節。ばあちゃんの店『 駄菓子屋』で週末バイトをしていた。店の奥はばあちゃんと僕が生活している場所。つまり、自宅兼店舗。
中学のころの僕は不登校気味で、同級生とあんまり上手くいっていなかった。だから〝高校は新しい環境で〟ということで、実家を離れてばあちゃんの家に来た。おかげで高校は今のところ休まないで通えている。ばあちゃんとはずっと仲良しで、学校は近いし。町の人たちも優しいから過ごしやすい。
お店に立つ時は毎回女装をする。何故なら――。
「やっほー! こんにちは」
きっかけとなった子が店に来た。
女装をする理由はこの子、咲良ちゃんのためだった。バイトを始めてからすぐにこの子とお父さんが来た。めちゃくちゃ優しく話しかけたつもりなのに、泣かれた。咲良ちゃんたちはこの店の常連でよく来るらしく。二回目も怯えられて「女の人には自分から近寄っていくんだけどね~」とお父さんが言っていたから、試しに女装をしてみた。
六月。春と夏の香りが混ざる季節。ばあちゃんの店『 駄菓子屋』で週末バイトをしていた。店の奥はばあちゃんと僕が生活している場所。つまり、自宅兼店舗。
中学のころの僕は不登校気味で、同級生とあんまり上手くいっていなかった。だから〝高校は新しい環境で〟ということで、実家を離れてばあちゃんの家に来た。おかげで高校は今のところ休まないで通えている。ばあちゃんとはずっと仲良しで、学校は近いし。町の人たちも優しいから過ごしやすい。
お店に立つ時は毎回女装をする。何故なら――。
「やっほー! こんにちは」
きっかけとなった子が店に来た。
女装をする理由はこの子、咲良ちゃんのためだった。バイトを始めてからすぐにこの子とお父さんが来た。めちゃくちゃ優しく話しかけたつもりなのに、泣かれた。咲良ちゃんたちはこの店の常連でよく来るらしく。二回目も怯えられて「女の人には自分から近寄っていくんだけどね~」とお父さんが言っていたから、試しに女装をしてみた。