足湯と君は居場所【BLピュア】
***
中学の時、僕の髪の長さは肩ぐらいまであった。けれど新しい生活への想いも込めて受験が終わった次の日、髪の毛をばっさり切った。だから今は短い。ネットで肩までの濃げ茶色をしたストレートのウィッグを買った。生まれつき色素が薄くて髪の毛もどっちかといえば金色に近かった。被ると地毛を暗くしたような感じで、顔全体が引き締まったように見えた。
「この髪色、似合うかも?」
鏡の自分をみながら、ほうっとした。顎を少し引いてみたり、横顔もチェックしてみた。服装は普段通りでいいかな?と、Tシャツとデニムを合わせた。
それから100円ショップや、ドラッグストアでプチプラコスメといわれている、お手頃価格でも可愛くなれると噂のメイクグッズをチェックしに行く。ありすぎてよく分からない。
色々なタイプの女の子のメイク方法をネットで検索し、清純系メイクのページにたどり着いた。
メイクのやり方が書いてあって、スクロールしていくと、どんどん手順を踏むにつれて女の子の顔が変わってきて、可愛くなっていく。
僕も可愛くなりたいなと思いながら、丁寧に説明を読んだ。
下地から塗り~とか書いてあったが、全部やるのも大変そうだと思い、目元のものとほんのり桃色に色付くリップだけとりあえず買うことにした。
目元はピンク系の色が4種類入ったアイシャドウと茶色のアイライナー。そして一応眉毛もウィッグよりも明るめなブラウンのものを買っといた。
僕が可愛くなることに、ばあちゃんも応援してくれた。頬にのせるチークやまつ毛に塗るマスカラを貸してくれたり、メイクの練習にも付き合ってもらった。
女装するといつもよりも明るくなれる気がして、別の自分になれて――。
ちょっとだけ自分のことが、好きになっていった。
中学の時、僕の髪の長さは肩ぐらいまであった。けれど新しい生活への想いも込めて受験が終わった次の日、髪の毛をばっさり切った。だから今は短い。ネットで肩までの濃げ茶色をしたストレートのウィッグを買った。生まれつき色素が薄くて髪の毛もどっちかといえば金色に近かった。被ると地毛を暗くしたような感じで、顔全体が引き締まったように見えた。
「この髪色、似合うかも?」
鏡の自分をみながら、ほうっとした。顎を少し引いてみたり、横顔もチェックしてみた。服装は普段通りでいいかな?と、Tシャツとデニムを合わせた。
それから100円ショップや、ドラッグストアでプチプラコスメといわれている、お手頃価格でも可愛くなれると噂のメイクグッズをチェックしに行く。ありすぎてよく分からない。
色々なタイプの女の子のメイク方法をネットで検索し、清純系メイクのページにたどり着いた。
メイクのやり方が書いてあって、スクロールしていくと、どんどん手順を踏むにつれて女の子の顔が変わってきて、可愛くなっていく。
僕も可愛くなりたいなと思いながら、丁寧に説明を読んだ。
下地から塗り~とか書いてあったが、全部やるのも大変そうだと思い、目元のものとほんのり桃色に色付くリップだけとりあえず買うことにした。
目元はピンク系の色が4種類入ったアイシャドウと茶色のアイライナー。そして一応眉毛もウィッグよりも明るめなブラウンのものを買っといた。
僕が可愛くなることに、ばあちゃんも応援してくれた。頬にのせるチークやまつ毛に塗るマスカラを貸してくれたり、メイクの練習にも付き合ってもらった。
女装するといつもよりも明るくなれる気がして、別の自分になれて――。
ちょっとだけ自分のことが、好きになっていった。