足湯と君は居場所【BLピュア】
 会いに行けばいいじゃないか。咲良が「お菓子を買いに行きたい」と言えば、それはもう俺の都合では無い。きちんとした理由になるはずだ。

 それにしても優香ちゃん、俺と話す時もじもじしていたな。

 俺に気があったりすればいいのに。

 ふと、こないだ保健体育で習い、そして前に兄貴から教えてもらっていたことを思い出す。

 この世界には色彩のバースというものがあるらしい。運命の相手と出逢い、条件をクリアして発動した場合、太陽に手のひらをかざすと自分色が指の周りに現れるらしい。

 見えたらいいなと、目の前に見える太陽に自分の手をかざした。でも、何も見えなかった。

 優香ちゃんが運命の相手ならいいのに――。
< 16 / 53 >

この作品をシェア

pagetop