足湯と君は居場所【BLピュア】
***

 準備を終えると、黄金寺の車に乗った。
 車の種類はよく分からないけれど、黒くてお金持ちっぽい車だった。

 助手席に黄金寺が、後ろには僕と咲良ちゃん、そして紫音さんが乗った。

 黄金寺に「車の中に高瀬の嫌な跡は残したくない」とか言われて、高瀬は乗車拒否されていた。

 車だと一瞬で、ひょう花に着いた。

「すぐに着いたね! 今、蒼にぃと一緒に歩いていたら、すっごい時間かかったかな。蒼にぃとふたりでお菓子を買いに行くとね、お店につくのがいっつも遅くなるの」

「蒼は、道を覚えるのが小さい頃から得意じゃないからかな?」

「何、あいつ、方向音痴なの?」
「ねぇねぇ、方向音痴って何?」
「方向音痴ってな……」

 黄金寺が咲良ちゃんに説明する。
 咲良ちゃん、慣れてない男の人が苦手だって言ってたけど、黄金寺は大丈夫なのかな?

 高瀬が来るまで、車の中にいることにした。

 高瀬遅いな。歩きだと十分か十五分ぐらいで着くから、多分もう着くと思うけど。

 しばらくしてから高瀬が来た。
 迷子になりながら来たのかな?って思ったら、ちょっと高瀬が可愛く思えた。

 高瀬たち、ひょう花で喧嘩しないかな?ってちょっとだけ心配だったけど。

 この日は争いは起こらず、みんなで仲良く並んで足湯を堪能した。

――なんか、すごく楽しくて居心地がいいな。
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