足湯と君は居場所【BLピュア】
第2話*駄菓子の店『 駄菓子屋』
*蒼視点
高校生になってからあっという間に時間が経ち、今日は六月中旬の土曜日。
朝食後、五歳の姪、咲良がピンク色したお菓子の箱をリビングで覗きながら「ないなぁ」と呟いている。
「どうした?」
「あのね、今日食べようと思っていたグミがね、まだあると思ったのに、なかったの」
「グミ、か……」
ふと回想に走る。
昨日の夜、咲良が寝た後に小腹がすいてそっと箱を覗き――。
それ食べたの、俺だ。
その記憶はなかったことにしよう。
咲良は俺よりも十歳年上の兄、紫音の娘。現在高瀬家は両親と兄貴と俺、そして咲良と暮らしている。
兄貴は病院で働いていて、今は仕事でいない。家にいる父さんは暇そうだけど咲良と出かけるとか想像できないし、母さんは昼ご飯の準備や家事をしている。
俺だけフリーか。
「一緒に買いに行くか?」
「うん、行く! グミの当たりもあるから持っていこうっと!」
咲良は嬉しそうに家の中をスキップしだした。相当食べたかったのか。
高校生になってからあっという間に時間が経ち、今日は六月中旬の土曜日。
朝食後、五歳の姪、咲良がピンク色したお菓子の箱をリビングで覗きながら「ないなぁ」と呟いている。
「どうした?」
「あのね、今日食べようと思っていたグミがね、まだあると思ったのに、なかったの」
「グミ、か……」
ふと回想に走る。
昨日の夜、咲良が寝た後に小腹がすいてそっと箱を覗き――。
それ食べたの、俺だ。
その記憶はなかったことにしよう。
咲良は俺よりも十歳年上の兄、紫音の娘。現在高瀬家は両親と兄貴と俺、そして咲良と暮らしている。
兄貴は病院で働いていて、今は仕事でいない。家にいる父さんは暇そうだけど咲良と出かけるとか想像できないし、母さんは昼ご飯の準備や家事をしている。
俺だけフリーか。
「一緒に買いに行くか?」
「うん、行く! グミの当たりもあるから持っていこうっと!」
咲良は嬉しそうに家の中をスキップしだした。相当食べたかったのか。