吸血王子と笑わない婚約者
001 婚約者なんて聞いてない
小腹が空いて、もう夜中の0時が近いというのに
近所のコンビニに出かけたのがいけなかった。
「ねぇねぇ、お姉さん今一人~?」
…今時そんなナンパの仕方があるのかと思った。
車に乗った男が声をかけてきて、私の歩みに合わせて並走してきた。
「ちょっとぉ!ねぇ、無視ぃ~?」
何故か私は小さい頃から 女難の相ならぬ「男難の相」がある。
そのせいで周囲の女の人からの当たりがきつくなってしまうから、
ある意味女難の相もあるのかもだけど。
とにかくこういう事には慣れっこだけど。毎回本当に鬱陶しい。
男の声を無視して、早足でコンビニに急ぐ。
監視カメラがあるところまでいけば、ひとまず安全…。
そう思って油断した瞬間
「調子乗るんじゃねえよ、クソアマ」
「痛っ…!!!」
急発進した車の窓から腕が伸びてきて、髪を掴まれた。
「澄ました顔して見下しやがって」
「エロい体つきしてる癖にさぁ~、誘ってるのはそっちだろ?」
「俺らで開発してやろうや」
下品な言葉を投げかけられながら、髪の毛を引っ張られる。
恐怖で固まっている間に、そのまま手首も掴まれて、太い腕に抱えられて。
成す術もなく、後部座席のドアに引きずり込まれていく。
ーもう、いいや
田舎だから、ここの通りは人気も無い。
抵抗したってもう、どうしようもない。
それに…
いいや、もう考えるのやめよ。
どうせこんなものだ。私の人生。
いずれそうなるであろう未来が、今来ただけ。
それだけなんだから。
「そうそう、いい子いい子」
全部諦めた途端、徐々に体から力が抜けていく。
「大人しくしときゃ痛くはしねぇからさ…多分な♪」
…もう、全部どうでもいい。
されるがままに身を預けはじめた
その時だった。
近所のコンビニに出かけたのがいけなかった。
「ねぇねぇ、お姉さん今一人~?」
…今時そんなナンパの仕方があるのかと思った。
車に乗った男が声をかけてきて、私の歩みに合わせて並走してきた。
「ちょっとぉ!ねぇ、無視ぃ~?」
何故か私は小さい頃から 女難の相ならぬ「男難の相」がある。
そのせいで周囲の女の人からの当たりがきつくなってしまうから、
ある意味女難の相もあるのかもだけど。
とにかくこういう事には慣れっこだけど。毎回本当に鬱陶しい。
男の声を無視して、早足でコンビニに急ぐ。
監視カメラがあるところまでいけば、ひとまず安全…。
そう思って油断した瞬間
「調子乗るんじゃねえよ、クソアマ」
「痛っ…!!!」
急発進した車の窓から腕が伸びてきて、髪を掴まれた。
「澄ました顔して見下しやがって」
「エロい体つきしてる癖にさぁ~、誘ってるのはそっちだろ?」
「俺らで開発してやろうや」
下品な言葉を投げかけられながら、髪の毛を引っ張られる。
恐怖で固まっている間に、そのまま手首も掴まれて、太い腕に抱えられて。
成す術もなく、後部座席のドアに引きずり込まれていく。
ーもう、いいや
田舎だから、ここの通りは人気も無い。
抵抗したってもう、どうしようもない。
それに…
いいや、もう考えるのやめよ。
どうせこんなものだ。私の人生。
いずれそうなるであろう未来が、今来ただけ。
それだけなんだから。
「そうそう、いい子いい子」
全部諦めた途端、徐々に体から力が抜けていく。
「大人しくしときゃ痛くはしねぇからさ…多分な♪」
…もう、全部どうでもいい。
されるがままに身を預けはじめた
その時だった。