吸血王子と笑わない婚約者
運命の王子様がリアル王子様だった件について〜吸血王子と一緒に過ごしてみた〜
朝日が昇る。小鳥がせわしなく鳴いている。
台所からは、出来立て朝ごはんのいい匂いが漂ってくる。
夢から醒めてもまだまどろみの中にいる私は、
カーテンの隙間から差し込む光から逃げるために、頭から布団を被る。
…朝ごはんの匂い?
あれ、私って一人暮らしだったよね…?
「おっはようございマ〜ス!!」
やかましい声の主に、容赦なくカーテンを開けられた。
「杏サァン!起きて下サァイ!!ほら!いい天気!青い空が綺麗な快晴デス!これなら洗濯物もよく乾きそうデスねぇ!」
「ふぁ…あと5時間…」
「猫かな???ほらダメダメ!そんなに寝てたら遅刻しマスよぉ!!」
低血圧で頭が回ってない間に、あれよあれよと言う間にリビングに追いやられる。
そのまま椅子に座らされ、若干不本意ながら食卓につく。
目玉焼き、ウィンナー、野菜サラダ、カリカリに焼いた食パン、コンソメスープ。
テーブルに並んだ手料理に、自然とお腹が鳴る。
「ハイ、それでは美味し糧に感謝を込めて!手を合わせて、いただきマス!」
「…いただきます」
一口、スープを啜る。優しい味が、程よい温度が
じわりと口の中に、お腹に染み渡る。
(…美味しい)
「あ、ご飯の方がよかったデスか?」
「ううん、パンの方が好き」
「「………」」
「いやなんでいるの」
「ンー???」
いや本当、なんでいるの。
「確か昨日…」
「えぇ〜?忘れちゃったんデスかぁ?」
…まだ回らない頭で、昨晩の出来事を思い出す。
…。
【遡ること昨日の夜】
「そんなっ!!!あんまりデスッ!!はるばる魔界から貴女を迎えに来たというのにッ!!帰れだナンテッ!!!!」
目の前で女々しく泣いているこの男は、颯爽と私を助けさっきまで正統派イケメンだった人物
…人外?と同一人物なのだろうか。
「そんな事言われても…えっと、やっぱ私1人の方が好きだし…」
「以前はずっと一緒にいたいって言ってくれマシタ」
「…男の人と一緒に住むのはちょっと…」
「貴女が許してくれるまでは指一本たりとも触れないと約束しマス」
「次期当主…王子様?なん…ですよね?そもそも、身分の差があるっていうか…」
「愛の前には関係ありマセン!!!決して不自由はさせマセンし反乱因子が湧いたら焼き殺…」
「やきころ…」
「…ゴッホン!黙らせマスので!」
「ひぇ…」
「それに、その、私…あなたが思うほど魅力的じゃないっていうか。そんな価値、無いし…」
台所からは、出来立て朝ごはんのいい匂いが漂ってくる。
夢から醒めてもまだまどろみの中にいる私は、
カーテンの隙間から差し込む光から逃げるために、頭から布団を被る。
…朝ごはんの匂い?
あれ、私って一人暮らしだったよね…?
「おっはようございマ〜ス!!」
やかましい声の主に、容赦なくカーテンを開けられた。
「杏サァン!起きて下サァイ!!ほら!いい天気!青い空が綺麗な快晴デス!これなら洗濯物もよく乾きそうデスねぇ!」
「ふぁ…あと5時間…」
「猫かな???ほらダメダメ!そんなに寝てたら遅刻しマスよぉ!!」
低血圧で頭が回ってない間に、あれよあれよと言う間にリビングに追いやられる。
そのまま椅子に座らされ、若干不本意ながら食卓につく。
目玉焼き、ウィンナー、野菜サラダ、カリカリに焼いた食パン、コンソメスープ。
テーブルに並んだ手料理に、自然とお腹が鳴る。
「ハイ、それでは美味し糧に感謝を込めて!手を合わせて、いただきマス!」
「…いただきます」
一口、スープを啜る。優しい味が、程よい温度が
じわりと口の中に、お腹に染み渡る。
(…美味しい)
「あ、ご飯の方がよかったデスか?」
「ううん、パンの方が好き」
「「………」」
「いやなんでいるの」
「ンー???」
いや本当、なんでいるの。
「確か昨日…」
「えぇ〜?忘れちゃったんデスかぁ?」
…まだ回らない頭で、昨晩の出来事を思い出す。
…。
【遡ること昨日の夜】
「そんなっ!!!あんまりデスッ!!はるばる魔界から貴女を迎えに来たというのにッ!!帰れだナンテッ!!!!」
目の前で女々しく泣いているこの男は、颯爽と私を助けさっきまで正統派イケメンだった人物
…人外?と同一人物なのだろうか。
「そんな事言われても…えっと、やっぱ私1人の方が好きだし…」
「以前はずっと一緒にいたいって言ってくれマシタ」
「…男の人と一緒に住むのはちょっと…」
「貴女が許してくれるまでは指一本たりとも触れないと約束しマス」
「次期当主…王子様?なん…ですよね?そもそも、身分の差があるっていうか…」
「愛の前には関係ありマセン!!!決して不自由はさせマセンし反乱因子が湧いたら焼き殺…」
「やきころ…」
「…ゴッホン!黙らせマスので!」
「ひぇ…」
「それに、その、私…あなたが思うほど魅力的じゃないっていうか。そんな価値、無いし…」