君の世界に触れさせて
4
◆
「……そういうわけで、僕は去年の文化祭辺りから、写真を撮るのが怖くて、避けてたんだ」
夏川先輩がどうして写真を撮らなくなったのかを聞いて、私は言葉が見つからなかった。
お互いに無言になってしまって、遠くから聞こえてくる声援が、やけに大きく聞こえた。
「ごめん、こんな話されても困るよね。でも、古賀には言わないと、というか、知っておいてほしいって思ったんだ」
すると、先輩は申しわけなさそうに笑った。
それが見ていられなくて、私は足元を見る。
自分の周りから人が離れていく怖さ。
好きなことを、好きなようにできないつらさ。
それは、私もよく知る感覚と同じだと思った。
だからこそ、写真を見たいというわがままが、どれだけ夏川先輩を苦しめていたのかがわかってしまう。
「私……先輩の気持ちも考えないで、写真を撮って見せてほしいって何度も言って、ごめんなさい……」
もっとちゃんと、先輩の表情変化に気付けていたら、先輩を苦しめることなんて、なかったのかもしれない。
どうして私は、相手のことを見て、話すことができないのだろう。
自分の欲のままに、突っ走ってしまったのだろう。
そんな後悔しか出てこない。
「たしかに、最初はイヤだったよ。一回断ったんだし、はやく諦めてほしいって思ってた」
「……そういうわけで、僕は去年の文化祭辺りから、写真を撮るのが怖くて、避けてたんだ」
夏川先輩がどうして写真を撮らなくなったのかを聞いて、私は言葉が見つからなかった。
お互いに無言になってしまって、遠くから聞こえてくる声援が、やけに大きく聞こえた。
「ごめん、こんな話されても困るよね。でも、古賀には言わないと、というか、知っておいてほしいって思ったんだ」
すると、先輩は申しわけなさそうに笑った。
それが見ていられなくて、私は足元を見る。
自分の周りから人が離れていく怖さ。
好きなことを、好きなようにできないつらさ。
それは、私もよく知る感覚と同じだと思った。
だからこそ、写真を見たいというわがままが、どれだけ夏川先輩を苦しめていたのかがわかってしまう。
「私……先輩の気持ちも考えないで、写真を撮って見せてほしいって何度も言って、ごめんなさい……」
もっとちゃんと、先輩の表情変化に気付けていたら、先輩を苦しめることなんて、なかったのかもしれない。
どうして私は、相手のことを見て、話すことができないのだろう。
自分の欲のままに、突っ走ってしまったのだろう。
そんな後悔しか出てこない。
「たしかに、最初はイヤだったよ。一回断ったんだし、はやく諦めてほしいって思ってた」