君の世界に触れさせて
2
◆
「栄治くんって、意外と来る者拒まずだった気がする」
日曜日の午後、少しでも夏川先輩の好みの人物に近付きたくて、柚木先輩と咲楽と出かける約束をした。
柚木先輩のオススメのカフェに入り、早速ストレートに夏川先輩のタイプを聞いた返答が、それだった。
「来る者拒まず……」
夏川先輩がそんなに軽い恋愛をしてきたことに、軽くショックを受けた。
私たちが注文した飲み物が届き、柚木先輩はカフェオレを飲む。
「栄治くんは、遥哉くんとは違って親しみやすくて、告白がしやすかったんじゃないかな。あと、栄治くんは断るのがニガテな人だから」
「そうなの?」
咲楽のほうが、私より先に反応した。
咲楽はスマホで写真を撮ることに集中していると思っていたのに、違ったらしい。
「多分ね。告白されるたびに、悩んでたから」
咲楽はどうでもよさそうに返して、撮影を再開する。
柚木先輩の印象に残るくらい、夏川先輩が人気だったとは知らなかった。
でも、クラスマッチの撮影会のときみたいなことを普段からしているのだとしたら、夏川先輩がモテるというのも、頷ける。
「まあ、栄治くんは誰のことも特別扱いしなかったから、よく振られてたんだけど」
柚木先輩はそのときのことを思い出しているのか、苦笑する。
「栄治くんって、意外と来る者拒まずだった気がする」
日曜日の午後、少しでも夏川先輩の好みの人物に近付きたくて、柚木先輩と咲楽と出かける約束をした。
柚木先輩のオススメのカフェに入り、早速ストレートに夏川先輩のタイプを聞いた返答が、それだった。
「来る者拒まず……」
夏川先輩がそんなに軽い恋愛をしてきたことに、軽くショックを受けた。
私たちが注文した飲み物が届き、柚木先輩はカフェオレを飲む。
「栄治くんは、遥哉くんとは違って親しみやすくて、告白がしやすかったんじゃないかな。あと、栄治くんは断るのがニガテな人だから」
「そうなの?」
咲楽のほうが、私より先に反応した。
咲楽はスマホで写真を撮ることに集中していると思っていたのに、違ったらしい。
「多分ね。告白されるたびに、悩んでたから」
咲楽はどうでもよさそうに返して、撮影を再開する。
柚木先輩の印象に残るくらい、夏川先輩が人気だったとは知らなかった。
でも、クラスマッチの撮影会のときみたいなことを普段からしているのだとしたら、夏川先輩がモテるというのも、頷ける。
「まあ、栄治くんは誰のことも特別扱いしなかったから、よく振られてたんだけど」
柚木先輩はそのときのことを思い出しているのか、苦笑する。