君の世界に触れさせて
「そうやって心の中に溜め込んでいた私の気持ちは、栄治くんに気付かれた。あの、文化祭で飾られてた写真を撮られたときだよ」
あれは、恋人が告白されているところではなくて、好きな人が告白されているところだったのか。
それはたしかに、あんな不安な視線になる。
「そのとき、栄治くんは私に遥哉くんの写真を見せてくれたの。私も見たことがないくらい、優しい眼をしている写真だった」
柚木先輩は言いながら、スマホを見せてくれる。
私と咲楽はそれを覗き込む。
ロック画面が、遥哉先輩の写真だ。
私の知っている眼とは違う、穏やかな瞳をした横顔だった。
「この視線の先に、私がいるんだって」
柚木先輩は照れながら、スマホを引く。
『花奈さんのはハル兄、ハル兄のは花奈さんにだけ見せていたから』
これを聞いたとき、恋人の写真を誰にも見せたくない思いに応えているのかと思った。
でも、違う気がした。
これは、他人に見せる写真ではない。
お互いだけが知っておくだけで十分な写真だ。
「そのとき、栄治くんに言われたの。無理に遥哉くんに合わせる必要はない。今の私でも、十分魅力的な人だって」
そのセリフは、かっこよすぎる。
今の私の不安まで、取り除いてくれる。
あれは、恋人が告白されているところではなくて、好きな人が告白されているところだったのか。
それはたしかに、あんな不安な視線になる。
「そのとき、栄治くんは私に遥哉くんの写真を見せてくれたの。私も見たことがないくらい、優しい眼をしている写真だった」
柚木先輩は言いながら、スマホを見せてくれる。
私と咲楽はそれを覗き込む。
ロック画面が、遥哉先輩の写真だ。
私の知っている眼とは違う、穏やかな瞳をした横顔だった。
「この視線の先に、私がいるんだって」
柚木先輩は照れながら、スマホを引く。
『花奈さんのはハル兄、ハル兄のは花奈さんにだけ見せていたから』
これを聞いたとき、恋人の写真を誰にも見せたくない思いに応えているのかと思った。
でも、違う気がした。
これは、他人に見せる写真ではない。
お互いだけが知っておくだけで十分な写真だ。
「そのとき、栄治くんに言われたの。無理に遥哉くんに合わせる必要はない。今の私でも、十分魅力的な人だって」
そのセリフは、かっこよすぎる。
今の私の不安まで、取り除いてくれる。