君の世界に触れさせて
4
◆
「逃げるな、古賀依澄!」
翌朝、学校に行きたくなくて、ベッドの上で丸まっていたら、朝からうちに来ていた咲楽に怒鳴られた。
私は驚いて、思わず顔を出す。
ベッドの傍に座った咲楽は、真剣な表情をしている。
「依澄は、嫌なことから逃げるような子じゃない。自分の力で立ち向かえる、強い子だよ」
その言葉は、思っている以上に心に響いた。
咲楽の力強い声も相まって、目頭が熱くなる。
「一人が怖いなら、私がいる。私はどんなことがあっても、絶対に依澄の味方だから」
私はゆっくりと体を起こす。
これほど応援してくれる咲楽のためにも、頑張りたい気持ちは確かにある。
だけど、少しだけ自信が伴わない。
「咲楽……今日も、可愛くしてくれる?」
自分に自信を持つ方法を、それしか知らなかった。
咲楽は任せなさいと言わんばかりに笑う。
「夏川栄治を一瞬で落とすレベルで可愛くしてあげる」
そして咲楽にされるがままに、私は身支度を整えた。
昨日よりも大きく、はっきりと見える瞳。
ほんのりと赤い頬。
ふっくらとした綺麗な唇。
そのどれもが、私ではないようだった。
髪型は、クラスマッチのときに咲楽がしてくれたもの。
今日こそ、お揃いの髪型になった。
「逃げるな、古賀依澄!」
翌朝、学校に行きたくなくて、ベッドの上で丸まっていたら、朝からうちに来ていた咲楽に怒鳴られた。
私は驚いて、思わず顔を出す。
ベッドの傍に座った咲楽は、真剣な表情をしている。
「依澄は、嫌なことから逃げるような子じゃない。自分の力で立ち向かえる、強い子だよ」
その言葉は、思っている以上に心に響いた。
咲楽の力強い声も相まって、目頭が熱くなる。
「一人が怖いなら、私がいる。私はどんなことがあっても、絶対に依澄の味方だから」
私はゆっくりと体を起こす。
これほど応援してくれる咲楽のためにも、頑張りたい気持ちは確かにある。
だけど、少しだけ自信が伴わない。
「咲楽……今日も、可愛くしてくれる?」
自分に自信を持つ方法を、それしか知らなかった。
咲楽は任せなさいと言わんばかりに笑う。
「夏川栄治を一瞬で落とすレベルで可愛くしてあげる」
そして咲楽にされるがままに、私は身支度を整えた。
昨日よりも大きく、はっきりと見える瞳。
ほんのりと赤い頬。
ふっくらとした綺麗な唇。
そのどれもが、私ではないようだった。
髪型は、クラスマッチのときに咲楽がしてくれたもの。
今日こそ、お揃いの髪型になった。