君の世界に触れさせて
エピローグ
◇
「依澄ちゃん、今日、かき氷食べに行かない? すごく美味しそうなお店、見つけたの」
期末テストが終わって、帰りの支度をしていると、詩織ちゃんが満面の笑みでやって来た。
「咲楽ちゃんと由紀ちゃんは行くって。依澄ちゃんはどう?」
「ごめん、今日は先約があって」
私が言うと、詩織ちゃんの眉尻は綺麗に下がった。
申しわけない気持ちと、嬉しい気持ちが同時に芽生える。
「また今度、誘ってね」
「次も彼氏を優先しそうだけどね」
詩織ちゃんの後ろから、意地悪な声がした。
由紀も咲楽も、まるで悪役のような笑みをしている。
約束の相手は言っていない。
それなのにわかったのは、私たちの告白シーンが学校中で噂になってしまったから。
お陰様で、私たちは全校生徒公認のカップルだ。
「……しないよ」
「どうだか」
咲楽たちは顔を見合わせる。
この二人は似た者同士みたいで、私からしてみれば、仲良くなってほしくない二人だった。
すると、落ち込んでいた詩織ちゃんは、笑顔に戻った。
「依澄ちゃん、デート楽しんできてね」
嫌味のない言葉を言ってくれるのは、詩織ちゃんだけだ。
「依澄ちゃん、今日、かき氷食べに行かない? すごく美味しそうなお店、見つけたの」
期末テストが終わって、帰りの支度をしていると、詩織ちゃんが満面の笑みでやって来た。
「咲楽ちゃんと由紀ちゃんは行くって。依澄ちゃんはどう?」
「ごめん、今日は先約があって」
私が言うと、詩織ちゃんの眉尻は綺麗に下がった。
申しわけない気持ちと、嬉しい気持ちが同時に芽生える。
「また今度、誘ってね」
「次も彼氏を優先しそうだけどね」
詩織ちゃんの後ろから、意地悪な声がした。
由紀も咲楽も、まるで悪役のような笑みをしている。
約束の相手は言っていない。
それなのにわかったのは、私たちの告白シーンが学校中で噂になってしまったから。
お陰様で、私たちは全校生徒公認のカップルだ。
「……しないよ」
「どうだか」
咲楽たちは顔を見合わせる。
この二人は似た者同士みたいで、私からしてみれば、仲良くなってほしくない二人だった。
すると、落ち込んでいた詩織ちゃんは、笑顔に戻った。
「依澄ちゃん、デート楽しんできてね」
嫌味のない言葉を言ってくれるのは、詩織ちゃんだけだ。