君の世界に触れさせて
内容が意地悪だけど、そういえば、さっきそれの話があると言った気がする。
僕がハル兄とちゃんと話そうと思った理由は、一つだ。
話そうとしたとき、ふと、古賀の笑顔を思い出す。
「写真を撮りたいって、思ったから」
僕が言うと、ハル兄はまた信じられないものを見るような目をした。
そして、穏やかに微笑んだ。
「栄治、好きな人ができただろ」
予想外の発言と表情に、僕は呆気に取られる。
ハル兄がこんなことを言うなんて、思っていなかった。
「好きな人って、なんで……」
「表情が柔らかくなってたから。今、絶対その人のこと思い出したろ?」
この、ハル兄の意地の悪い表情を、クールなイケメンと言っていた女子たちに見せてやりたい。
こういう表情をすると知れば、ハル兄の人気も下がって、花奈さんも安心できるだろうに。
まあ、ハル兄は変なところで抜かりないから、この一面はきっと、誰にも見せなさそうだけど。
なんて、そんな現実逃避をしながら、なんとか話題をそらせないだろうかと思ってしまう。
ただ、この流れで本心を隠すのは、気が引けた。
ハル兄の視線から逃げながら、言葉を探す。
「好きかどうかはまだよくわからないけど……少なくとも特別、だとは思ってる」
僕がハル兄とちゃんと話そうと思った理由は、一つだ。
話そうとしたとき、ふと、古賀の笑顔を思い出す。
「写真を撮りたいって、思ったから」
僕が言うと、ハル兄はまた信じられないものを見るような目をした。
そして、穏やかに微笑んだ。
「栄治、好きな人ができただろ」
予想外の発言と表情に、僕は呆気に取られる。
ハル兄がこんなことを言うなんて、思っていなかった。
「好きな人って、なんで……」
「表情が柔らかくなってたから。今、絶対その人のこと思い出したろ?」
この、ハル兄の意地の悪い表情を、クールなイケメンと言っていた女子たちに見せてやりたい。
こういう表情をすると知れば、ハル兄の人気も下がって、花奈さんも安心できるだろうに。
まあ、ハル兄は変なところで抜かりないから、この一面はきっと、誰にも見せなさそうだけど。
なんて、そんな現実逃避をしながら、なんとか話題をそらせないだろうかと思ってしまう。
ただ、この流れで本心を隠すのは、気が引けた。
ハル兄の視線から逃げながら、言葉を探す。
「好きかどうかはまだよくわからないけど……少なくとも特別、だとは思ってる」