君の世界に触れさせて
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◆
「はじめまして、柚木花奈です。よろしくね」
待ち合わせ場所の駅に着くと、夏川先輩と佐伯先輩だけでなく、去年の文化祭で見た写真に写っていた人がいた。
あのころよりも大人っぽい笑顔に、見惚れてしまう。
『ボウリング、二人追加で』
昨夜、夏川先輩からそんなメッセージが届いたけど、あの写真のモデルさんに会えるとは思っていなかった。
「はじめまして、古賀依澄です」
「氷野咲楽です」
芸能人に会った感覚のまま名乗ると、咲楽も続く。
「依澄ちゃんと、咲楽ちゃんね」
柚木先輩は私たちの名前を呼んで確認すると、そのまま距離を詰めて来た。
茶色っぽい髪の毛が揺れ、甘い花のような匂いが香ってくる。
写真だけでも綺麗な人だと思ったけど、実際に会うと、女の私でも惚れてしまいそうだと思った。
「ねえねえ、栄治くんに写真を再開させたのって、どっち?」
柚木先輩は小声で聞く。
その理由がわからないまま、私は右手を小さく上げる。
すると、柚木先輩は両手で私の左手を握った。
大きな瞳が輝いている。
「ありがとう、依澄ちゃん」
向日葵のような笑顔とは、このことか。そう思うほどに、可愛らしいものだった。
「はじめまして、柚木花奈です。よろしくね」
待ち合わせ場所の駅に着くと、夏川先輩と佐伯先輩だけでなく、去年の文化祭で見た写真に写っていた人がいた。
あのころよりも大人っぽい笑顔に、見惚れてしまう。
『ボウリング、二人追加で』
昨夜、夏川先輩からそんなメッセージが届いたけど、あの写真のモデルさんに会えるとは思っていなかった。
「はじめまして、古賀依澄です」
「氷野咲楽です」
芸能人に会った感覚のまま名乗ると、咲楽も続く。
「依澄ちゃんと、咲楽ちゃんね」
柚木先輩は私たちの名前を呼んで確認すると、そのまま距離を詰めて来た。
茶色っぽい髪の毛が揺れ、甘い花のような匂いが香ってくる。
写真だけでも綺麗な人だと思ったけど、実際に会うと、女の私でも惚れてしまいそうだと思った。
「ねえねえ、栄治くんに写真を再開させたのって、どっち?」
柚木先輩は小声で聞く。
その理由がわからないまま、私は右手を小さく上げる。
すると、柚木先輩は両手で私の左手を握った。
大きな瞳が輝いている。
「ありがとう、依澄ちゃん」
向日葵のような笑顔とは、このことか。そう思うほどに、可愛らしいものだった。