君の世界に触れさせて
子供のような言い訳だけど、その言い方よりも、一つ気になることが。
「遥哉先輩も、夏川っていうんですか?」
「あれ、知らない? 遥哉くんと栄治くんは兄弟なんだよ」
柚木先輩は私たちが聞いているものだと思っていたみたいだけど、夏川先輩は二人増えることしか教えてくれなかったのだから、知るわけがない。
でも、言われてみると似ているような、似ていないような。
初めて夏川先輩に会ったときの、私を突き放すような少し冷たい視線は似ているかもしれない。
そんなことを思い返していると、柚木先輩と遥哉先輩が同時にボールを投げた。
二人ともストライクという、最高の出だしだ。
柚木先輩がピースサインをして喜ぶのに対して、遥哉先輩は表情を変えない。
二人が並ぶとたしかに絵になるけど、こうも正反対だと、恋人同士なのかと疑ってしまう自分がいる。
「次、依澄ちゃんと栄治くんね」
私は緊張しながらボールを持つ。
遠くのレーンからピンを倒す音が聞こえて、それがまたプレッシャーのように感じた。
こんなに緊張するのは、久しぶりだ。
「大丈夫?」
横から、夏川先輩が心配そうに見てくる。
「……はい、大丈夫です」
夏川先輩に答えているようで、自分にそう言い聞かせるように言い、前を真っ直ぐ見る。
「遥哉先輩も、夏川っていうんですか?」
「あれ、知らない? 遥哉くんと栄治くんは兄弟なんだよ」
柚木先輩は私たちが聞いているものだと思っていたみたいだけど、夏川先輩は二人増えることしか教えてくれなかったのだから、知るわけがない。
でも、言われてみると似ているような、似ていないような。
初めて夏川先輩に会ったときの、私を突き放すような少し冷たい視線は似ているかもしれない。
そんなことを思い返していると、柚木先輩と遥哉先輩が同時にボールを投げた。
二人ともストライクという、最高の出だしだ。
柚木先輩がピースサインをして喜ぶのに対して、遥哉先輩は表情を変えない。
二人が並ぶとたしかに絵になるけど、こうも正反対だと、恋人同士なのかと疑ってしまう自分がいる。
「次、依澄ちゃんと栄治くんね」
私は緊張しながらボールを持つ。
遠くのレーンからピンを倒す音が聞こえて、それがまたプレッシャーのように感じた。
こんなに緊張するのは、久しぶりだ。
「大丈夫?」
横から、夏川先輩が心配そうに見てくる。
「……はい、大丈夫です」
夏川先輩に答えているようで、自分にそう言い聞かせるように言い、前を真っ直ぐ見る。