君の世界に触れさせて
第2話
1
◆
「栄治、ハピバ」
誕生日の朝、自分の席でホームルームが始まるのを待ちながら、スマホでゴールデンウィークの写真を振り返っていると、それを邪魔するように、佐伯がプレゼントを差し出してきた。
それは意外と大きくて、スマホの画面は簡単に見えなくなった。
「……ありがとう」
プレゼントは嬉しいけど、差し出し方が気に入らなくて、迷惑そうな言い方になってしまった。
「開けてみて」
僕が受け取ると、佐伯はまったく気にせず、それどころかニヤニヤとしながら言う。
なにか企んでいるのは一目瞭然だ。
警戒しながら、包装を解いていく。
出てきたのは、マット素材の青色表紙でできたアルバム。
佐伯にしてはオシャレなものだけど、表情の割に普通のものが出てきて、薄い反応になってしまった。
だけど、佐伯はまだ嫌な笑みを浮かべている。
まだなにか仕込んでいるのかと思って、アルバムを開いてみる。
一枚だけ、写真が入っている。
海での、僕と古賀の写真だ。
佐伯と氷野にからかわれた瞬間の写真。
楽しかった記憶はあるけど、こうして写真に残されていると、恥ずかしくなる。
「なんでこれ?」
「栄治が写真を再開した、記念の写真だろ?」
「それはそうだけど……」
「栄治、ハピバ」
誕生日の朝、自分の席でホームルームが始まるのを待ちながら、スマホでゴールデンウィークの写真を振り返っていると、それを邪魔するように、佐伯がプレゼントを差し出してきた。
それは意外と大きくて、スマホの画面は簡単に見えなくなった。
「……ありがとう」
プレゼントは嬉しいけど、差し出し方が気に入らなくて、迷惑そうな言い方になってしまった。
「開けてみて」
僕が受け取ると、佐伯はまったく気にせず、それどころかニヤニヤとしながら言う。
なにか企んでいるのは一目瞭然だ。
警戒しながら、包装を解いていく。
出てきたのは、マット素材の青色表紙でできたアルバム。
佐伯にしてはオシャレなものだけど、表情の割に普通のものが出てきて、薄い反応になってしまった。
だけど、佐伯はまだ嫌な笑みを浮かべている。
まだなにか仕込んでいるのかと思って、アルバムを開いてみる。
一枚だけ、写真が入っている。
海での、僕と古賀の写真だ。
佐伯と氷野にからかわれた瞬間の写真。
楽しかった記憶はあるけど、こうして写真に残されていると、恥ずかしくなる。
「なんでこれ?」
「栄治が写真を再開した、記念の写真だろ?」
「それはそうだけど……」