君の世界に触れさせて
僕にしては珍しい強い言葉に、高宮は戸惑いを見せる。
「……冗談じゃん」
「冗談ならなにを言っても許されるわけじゃないからな」
佐伯も同じように、高宮に敵意を向ける。
高宮は舌打ちをして、僕たちから離れていく。
「まだあんなふうに言う奴がいるんだな」
佐伯が呆れた声で言うのを聞きながら、席に着く。
「仕方ないよ。噂、かなり広まってたし」
僕よりも佐伯のほうが怒っているように見えて、改めていい友達を持ったと思った。
「そんなことより、栄治。今日の放課後、暇?」
「特別予定はないけど」
佐伯のにやけ面を見ると、前言撤回したくなる。
またよからぬことを企んでいそうだと思いながら、ホームルームの始まりを告げるチャイムを聞いた。
◇
放課後、僕は佐伯に連れられて、写真部の部室の前にいた。
予想外のようで予想通りの場所に、少しだけ足がすくむ。
カメラから離れてしまったことで、訪れなくなった場所。
どんな顔をして入ればいいのか、わからない。
「こんにちは」
佐伯は戸惑う僕など無視して、容赦なくドアを開けた。
立ち止まっておくこともできず、恐る恐る中に入った。
「……冗談じゃん」
「冗談ならなにを言っても許されるわけじゃないからな」
佐伯も同じように、高宮に敵意を向ける。
高宮は舌打ちをして、僕たちから離れていく。
「まだあんなふうに言う奴がいるんだな」
佐伯が呆れた声で言うのを聞きながら、席に着く。
「仕方ないよ。噂、かなり広まってたし」
僕よりも佐伯のほうが怒っているように見えて、改めていい友達を持ったと思った。
「そんなことより、栄治。今日の放課後、暇?」
「特別予定はないけど」
佐伯のにやけ面を見ると、前言撤回したくなる。
またよからぬことを企んでいそうだと思いながら、ホームルームの始まりを告げるチャイムを聞いた。
◇
放課後、僕は佐伯に連れられて、写真部の部室の前にいた。
予想外のようで予想通りの場所に、少しだけ足がすくむ。
カメラから離れてしまったことで、訪れなくなった場所。
どんな顔をして入ればいいのか、わからない。
「こんにちは」
佐伯は戸惑う僕など無視して、容赦なくドアを開けた。
立ち止まっておくこともできず、恐る恐る中に入った。