君の世界に触れさせて
2
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「おかえり。ねえ見て、ゴールデンウィークに花奈さんと言ったお店、SNSに上げたら過去一いいね貰えた」
教室で待っててくれた咲楽は、嬉しそうにスマホの画面を見せてくる。
正直、今はそんな気分になれなくて、私は咲楽の席の後ろに座り、机に突っ伏した。
「ん? どうした?」
咲楽に聞かれ、さっきの夏川先輩の表情を思い出す。
『正しすぎる言葉は、ときに他人を傷付けるんだよ』
夏川先輩は、悲しそうだった。
あれは、戸惑いだろうか。
それとも、失望か。
なんにせよ、あまりいい感情を向けられたとは思えない。
「……夏川先輩に嫌われたかも」
言葉にすると、辛さが増す。
「依澄が? 夏川栄治に?」
咲楽の意外そうな声を聞きながら、身体を起こす。
大きく息を吐き出して、両手で顔を覆う。
「もう、なんで私、いつも言いすぎるんだろう。いつまで経っても学習しない自分が嫌い」
今回と似たような失敗は、いくつかある。
そのたびに後悔して、次は気を付けようって思うのに、なかなか上手くいかない。
何度も同じことを繰り返す自分に嫌気がさすし、なにより夏川先輩の前でやらかしてしまったのが、ダメージが大きい。
「おかえり。ねえ見て、ゴールデンウィークに花奈さんと言ったお店、SNSに上げたら過去一いいね貰えた」
教室で待っててくれた咲楽は、嬉しそうにスマホの画面を見せてくる。
正直、今はそんな気分になれなくて、私は咲楽の席の後ろに座り、机に突っ伏した。
「ん? どうした?」
咲楽に聞かれ、さっきの夏川先輩の表情を思い出す。
『正しすぎる言葉は、ときに他人を傷付けるんだよ』
夏川先輩は、悲しそうだった。
あれは、戸惑いだろうか。
それとも、失望か。
なんにせよ、あまりいい感情を向けられたとは思えない。
「……夏川先輩に嫌われたかも」
言葉にすると、辛さが増す。
「依澄が? 夏川栄治に?」
咲楽の意外そうな声を聞きながら、身体を起こす。
大きく息を吐き出して、両手で顔を覆う。
「もう、なんで私、いつも言いすぎるんだろう。いつまで経っても学習しない自分が嫌い」
今回と似たような失敗は、いくつかある。
そのたびに後悔して、次は気を付けようって思うのに、なかなか上手くいかない。
何度も同じことを繰り返す自分に嫌気がさすし、なにより夏川先輩の前でやらかしてしまったのが、ダメージが大きい。