偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
(私も自分が結婚するとは思っていなかった)
実家とは離れてひとりで自立することばかりを考えていた頃が、なんだか随分昔なような気がする。
(まさか私が響一さんを本当に好きになって、彼中心の考え方をするようになるなんて)
本当に何がきっかけで未来が変わるか分からない。
「カフェを開くって夢がなくなった訳じゃないけど、結婚生活も頑張りたいと思ってるんだ」
「いいと思うよ。目標を変えることに後ろめたさを感じる必要なんてないんだから花穂が思う通りにやればいいよ」
「……ありがとう」
伊那の言葉にはっとした。あまり意識していなかったけれど、心のどこかで一度決めたことを変えるのに躊躇いを感じていたから。
(でも自由にすればいいんだ)
なんだかとても気持ちが軽くなった。
「そうだ、辞めるんじゃなくてシフト変更したらどう? 昼過ぎから夕方まで入るとか。新しいスタッフが落ち着くまでそうしてくれたら助かるし」
「いいの? 私こそ助かるけど」
「もちろん。早く来て仕込みを手伝ってくれたら更にいいかも」
伊那と今後についてあれこれ話しているうちにホールが賑わって来た。
実家とは離れてひとりで自立することばかりを考えていた頃が、なんだか随分昔なような気がする。
(まさか私が響一さんを本当に好きになって、彼中心の考え方をするようになるなんて)
本当に何がきっかけで未来が変わるか分からない。
「カフェを開くって夢がなくなった訳じゃないけど、結婚生活も頑張りたいと思ってるんだ」
「いいと思うよ。目標を変えることに後ろめたさを感じる必要なんてないんだから花穂が思う通りにやればいいよ」
「……ありがとう」
伊那の言葉にはっとした。あまり意識していなかったけれど、心のどこかで一度決めたことを変えるのに躊躇いを感じていたから。
(でも自由にすればいいんだ)
なんだかとても気持ちが軽くなった。
「そうだ、辞めるんじゃなくてシフト変更したらどう? 昼過ぎから夕方まで入るとか。新しいスタッフが落ち着くまでそうしてくれたら助かるし」
「いいの? 私こそ助かるけど」
「もちろん。早く来て仕込みを手伝ってくれたら更にいいかも」
伊那と今後についてあれこれ話しているうちにホールが賑わって来た。