偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
父に理解を示す響一に促され花穂はゆっくり歩み始めた。玉砂利の道の先は池で、中央を木の橋が渡っている。池には鮮やかな色合いの鯉が優雅に泳いでいた。
「城崎さんは突然縁談相手が代わり混乱しているよな」
「はい、何がどうなっているのか、全く分かっていなくて」
響一を見上げていうと、彼は気まずそうに頷いた。
「こうなったのは俺が強引に割り込んだからなんだ」
「強引に?」
花穂は怪訝な思いで首を傾げる。花穂の縁談に響一が無理やり割り込む必要があるとは到底思えず、更に疑問が増えてしまった。
「あの、理由を聞いてもいいですか?」
「それは……先に謝っておくけど、実は伊那さんから城崎さんの事情を少しだけ聞いたん
だ」
「伊那が?」
事情と言うのは、今回の縁談の件についてだろう。
(でも伊那がどうして……)
彼女は大切な事柄に関してはかなり口が堅いタイプだ。だから花穂の事情を響一に話したのは何らかの考えが有ったからだろう。
その狙いが何なのかは花穂には考えつかないけれど。
「城崎さんは突然縁談相手が代わり混乱しているよな」
「はい、何がどうなっているのか、全く分かっていなくて」
響一を見上げていうと、彼は気まずそうに頷いた。
「こうなったのは俺が強引に割り込んだからなんだ」
「強引に?」
花穂は怪訝な思いで首を傾げる。花穂の縁談に響一が無理やり割り込む必要があるとは到底思えず、更に疑問が増えてしまった。
「あの、理由を聞いてもいいですか?」
「それは……先に謝っておくけど、実は伊那さんから城崎さんの事情を少しだけ聞いたん
だ」
「伊那が?」
事情と言うのは、今回の縁談の件についてだろう。
(でも伊那がどうして……)
彼女は大切な事柄に関してはかなり口が堅いタイプだ。だから花穂の事情を響一に話したのは何らかの考えが有ったからだろう。
その狙いが何なのかは花穂には考えつかないけれど。