偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
以前、世間話のときに読書が趣味だと話したことがあった。響一も読書が好きだそうで、時々本の感想を言い合うようになった。
花穂は本の表紙をちらりと見る。タイトルとデザインからホラーのような気がする。花穂が進んで選ばないジャンルだ。
「いえ、読んだことがないです。面白いんですか?」
「まだ序盤だけど引き込まれるよ。家族の絆がテーマだから城崎さんも好みだと思う」
「そうなんですか? 気になるので読んでみようかな……」
響一は嬉しそうに、表情を和らげる。
「ああ、読み終わったら感想聞かせて欲しいな」
「はい。そう言えば私もお薦めしたいが……」
先日読み終えた、海外作家のコージーミステリーがとてもよかったので紹介しようと思ったところで、ドアベルの音がした。
花穂は響一に「すみません、今度お話しますね」とぺこりと頭を下げてから、気持ちを切り替え接客に向かう。
「いらっしゃいませ」
「こんばんは。いつもの席空いてる?」
はきはき話す女性はもう一年以上定期的に通ってくれている常連だ。
「はい。ご案内します」
花穂は本の表紙をちらりと見る。タイトルとデザインからホラーのような気がする。花穂が進んで選ばないジャンルだ。
「いえ、読んだことがないです。面白いんですか?」
「まだ序盤だけど引き込まれるよ。家族の絆がテーマだから城崎さんも好みだと思う」
「そうなんですか? 気になるので読んでみようかな……」
響一は嬉しそうに、表情を和らげる。
「ああ、読み終わったら感想聞かせて欲しいな」
「はい。そう言えば私もお薦めしたいが……」
先日読み終えた、海外作家のコージーミステリーがとてもよかったので紹介しようと思ったところで、ドアベルの音がした。
花穂は響一に「すみません、今度お話しますね」とぺこりと頭を下げてから、気持ちを切り替え接客に向かう。
「いらっしゃいませ」
「こんばんは。いつもの席空いてる?」
はきはき話す女性はもう一年以上定期的に通ってくれている常連だ。
「はい。ご案内します」