偽装結婚から始まる完璧御曹司の甘すぎる純愛――どうしようもないほど愛してる
「城崎さんに俺の妻役をやって貰うんだから。これ以上ないメリットだろう?」
(妻役?)
花穂は響一の顔を見つめたまま瞬きした。そして数秒後に納得した。
(六条さんは私に仲のよい奥さんのふりをして欲しいんだ!)
年を取った祖父に結婚したと報告して安心させてあげたいのだろう。
つまり結婚のふりだ。実際婚姻届けを出すかもしれないが、あくまで形だけ。
響一が求めているのは、気疲れせずに過ごせるパートナーなのだろう。
(そうだよね、私何勘違いしてたの)
急に自分が恥ずかしくなった。身の程知らずにも彼に求愛されていると思い込んでいたなんて。
(六条さんは、本当の恋人になって欲しいなんてひと言も言ってないのに)
初めから事情があって結婚しなくちゃいけないんだと言っていたではないか。
わざわざ花穂の見合いを潰したのは、話しやすい相手の中で、条件付きの特殊な結婚を受け入れてくれそうな人物が花穂だけだった、ということではないだろうか。
伊那に聞いて、花穂の家が困窮しているのを知り、丁度よいと思ったのかもしれない。
求愛ではなく求婚なのだ。
花穂は目が覚めたような思いで響一を見た。
(妻役?)
花穂は響一の顔を見つめたまま瞬きした。そして数秒後に納得した。
(六条さんは私に仲のよい奥さんのふりをして欲しいんだ!)
年を取った祖父に結婚したと報告して安心させてあげたいのだろう。
つまり結婚のふりだ。実際婚姻届けを出すかもしれないが、あくまで形だけ。
響一が求めているのは、気疲れせずに過ごせるパートナーなのだろう。
(そうだよね、私何勘違いしてたの)
急に自分が恥ずかしくなった。身の程知らずにも彼に求愛されていると思い込んでいたなんて。
(六条さんは、本当の恋人になって欲しいなんてひと言も言ってないのに)
初めから事情があって結婚しなくちゃいけないんだと言っていたではないか。
わざわざ花穂の見合いを潰したのは、話しやすい相手の中で、条件付きの特殊な結婚を受け入れてくれそうな人物が花穂だけだった、ということではないだろうか。
伊那に聞いて、花穂の家が困窮しているのを知り、丁度よいと思ったのかもしれない。
求愛ではなく求婚なのだ。
花穂は目が覚めたような思いで響一を見た。