旧財閥家御曹司の愛妻渇望。 〜ご令嬢は、御曹司に甘く口説かれる。〜
私は彼に協力してもらった結果。
証拠は大量に出てきて、嘉納様と嘉納銀行の顧問弁護士様にも協力をしていただき婚約白紙に向けての準備は万全になり――冒頭の『物語のような場面』に戻る。
「……お待ちになって、お義姉様! 婚約白紙ってどういうことよ!」
「碧奈。ドレスを持ち上げて走るだなんて婚姻前の令嬢がすることではありませんよ」
「なっ! でも、婚約は利益があるからだって言っていたわ。それに、嘉納天浬だなんて」
「貴女、嘉納様を呼び捨てで呼ぶなんて何様のつもり? 石橋家との婚約については両家で話し合いをして白紙となったのよ」