旧財閥家御曹司の愛妻渇望。 〜ご令嬢は、御曹司に甘く口説かれる。〜



「お義母様にまたお礼を言わなくては。天浬さんに連絡先を聞いて会いに行こうかしら」

「それがいいと思います。喜ばれますよ」


 ……というか、会いに行ってもいいものかな。それは天浬さんに聞いてみよう。


 それから私は、ネグリジェにもドキドキしながら二人の寝室に向かった。

 結婚式の前は結婚してはいるけど別々で寝ていたし、これが一緒に寝るのは初めてだ。
 寝室のノックをしたけど、ノックは返ってこなかったので一つ深呼吸をしてドアノブを回す。


「失礼します……」


 恐る恐る言いながら中に入ると誰もいなかった。だからゆっくり入ると、そこは自室と同じくらい広くてここでどうすればいいのかわからなくなる。

 アタフタしていれば、ドアノックの音がしてそちらの方向を見て「はいっ」と言いドアを開けた。

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