旧財閥家御曹司の愛妻渇望。 〜ご令嬢は、御曹司に甘く口説かれる。〜
写真は、石橋といろいろな女性の写真が数枚。どれも違う女性で、その中には義妹の碧奈もいる。女癖悪いだろうな、と思ってたけどここまでとは。
でもこれって、チャンスなのでは?私、結婚を回避したいって思ってたし……立派な証拠よね。
「君はショックだとは思うが」
「いえ。これはありがたい情報です。私、この人と結婚したくなかったので」
私はこの写真を封筒にしまって「これはおいくら? 買い取らせてもらいたいのですが」と交渉する。タダではくれないだろうし。
「お金は要らない。婚約白紙にしたいのなら、それに必要な証拠を写真以外にも揃えようじゃないか」
「え、でも。例え嘉納様でもタダでいただくわけには参りません」
私の父は大学教授だが、亡き母が旧華族の名門一族のお嬢様だった。だから、一年に一度母の実家から多額の貯金が振り込まれている。なので、お金なら心配ない。