桜ふたたび 後編
新居に唯一置かれたキングサイズベッドが、薄明かりのなかで微かな軋みを立てている。
「ぅん……」
眉間を皺め白い喉を反らせた澪は、にわかに瞼を見開いた。
「ま、ま、待って」
ジェイは恨めしげな目をして、逃れようとする澪を見下ろした。
「何?」
ジェイは苛々と額の汗を拭った。
最悪のタイミングで中断して、申し訳ないと思う。
それならさっさと言えばいいのに、なかなか女の口からは言いづらい。
「あ、あの……アレを……」
澪は赤面しながら枕元へ視線を這わした。
「もう必要ないだろう?」
「あ、でも……」
ジェイは面倒くさそうな表情を浮かべて、落ちた前髪をかき上げた。
それから澪の頬を両手で挟むと、額を寄せ真っ直ぐに目を見て言った。
「私はすぐにでも子どもが欲しいんだ」
「コドモ?」
一瞬にして澪は凍りついた。
「ぅん……」
眉間を皺め白い喉を反らせた澪は、にわかに瞼を見開いた。
「ま、ま、待って」
ジェイは恨めしげな目をして、逃れようとする澪を見下ろした。
「何?」
ジェイは苛々と額の汗を拭った。
最悪のタイミングで中断して、申し訳ないと思う。
それならさっさと言えばいいのに、なかなか女の口からは言いづらい。
「あ、あの……アレを……」
澪は赤面しながら枕元へ視線を這わした。
「もう必要ないだろう?」
「あ、でも……」
ジェイは面倒くさそうな表情を浮かべて、落ちた前髪をかき上げた。
それから澪の頬を両手で挟むと、額を寄せ真っ直ぐに目を見て言った。
「私はすぐにでも子どもが欲しいんだ」
「コドモ?」
一瞬にして澪は凍りついた。