再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
「ずっと、捜した。会いたくて、触れたくて、たまらなかった……!」


初めて耳にする、悲痛な声に心を深く打ち抜かれた。

まるで泣いているような響きに動揺を隠せず、振り子のように揺れ動く心が、彼を受け入れようと傾き始める。


「お前が、本当にここにいると確かめさせて」


骨ばった指が壊れものを扱うかのように触れた。

鼓動がひとつ、大きな音を立てる。


騙されちゃダメよ、婚約者がいるのを忘れたの?


本当に白紙状態なのか知らないでしょう?


また打ちひしがれて、傷つくつもり?



頭の中で鳴り響く警告を聞き入れ、心を奮い立たせて反論する。


「私とは、遊びでしょう?」


精一杯の反論に惺さんが目を大きく見開いた。


「どういう、意味だ?」


冷え冷えとした怒りを含んだ眼差しに体が震え、喉がカラカラに乾く。


「答えろ、希和」


「あなたが、私を、遊び相手だと……っ」


必死に言い返した言葉が、再び深いキスで強引に押し戻される。


「……へえ? だったら今から証明してやるよ。自分が遊び相手なのか、しっかり見極めろ」


不穏な台詞と低すぎる声に背中にしびれがはしる。

部屋の温度がぐんと下がった気がした。
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