再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
「……少し痩せた?」


私の体を反転し、むき出しの背中に長い指がそっと触れる。

さらに背骨を辿るように口づけを落され、甘いしびれがはしる。

ゆっくりと高められた体は熱を溜めこみ、些細な刺激にすら腰が揺れる。


「なんで……突然、こんな真似をするの?」


「わからない?」


背中から抱え込むように胸に大きな手が回る。

わかるわけが、ないのに。


「もう、絶対に逃がしたくないから」


するりと骨ばった指が太ももを撫で上げる。

秘められた場所を指が掠め、腰が引けそうになるのに彼の体が私の抵抗を阻む。


「……希和がここにいるって、確認したいだけ」


強引に連れ込んだくせに、なぜそんな言い方をするの? 


「頼むから夢じゃないと、信じさせて」


やめて、勘違いしそうになる。


愛されていたと信じたくなるから。


優しく、でも性急に私の中に指を沈めてくる。

久しい感覚に一瞬体が強張ってしまう。

そんな私を宥めるように惺さんはこめかみ、うなじ、背中に幾つものキスの雨を降らせる。

甘い、丁寧な触れ方に堅牢に築いた心の檻が壊れそうになっていく。
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