再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
ダメよ、同じ間違いを繰り返すつもり?


私を追うのは、遊び相手に逃げられて悔しいからで、きっとすぐ興味を失う。

出産だって経験したし、今の私はあの頃と同じ体じゃない。

脳裏に愛する息子の顔が浮かぶ。

悟己のことを気づかれてはいけない、絶対に奪われたくない。


守らなければ……!


この悲しい情事が済んだら、すぐに帰って今度こそ二度と会わない。


だから……せめて、今だけは……この温もりに溺れるのを許して。


私の弱さが甘えとなり、懐かしい熱を求めてしまう。


「……俺以外の男のことを考えているのか?」


突然の冷えた声に首を竦める。

体を反転して抱き起され、胡坐をかいた彼の膝の上に抱えられる。

美麗な面差しが至近距離に迫り、荒々しく口づけられる。

予想外の激しいキスに、思考がさらに鈍る。


「お前はこれまでもこれからも俺だけを見て、感じていればいい」


物騒な言葉のはずなのに、恐怖以外の感情で胸の奥が落ち着かない。

私の前髪をかき上げ額にキスが落とされる。

ギュッと強く抱き竦められ、汗ばんだ肌と香りに酔いしれる。

甘やかすように首筋に触れる唇と、私を抱え込む筋肉質な腕が愛しくて切ない。

彼が再び私の中を長い指で暴く。

広がる水音と速まる指の動きに体温が一気に上がっていく。

同時に胸元に唇を寄せられ、理性が保てなくなる。
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