再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
五月初旬の月曜日、何度も鏡で全身を確認して家を出た。
眩しい日差しに、目を細める。
今日は勤務初日だ。
今朝、久しぶりに袖を通した明るい紺色のノーカラージャケットのスーツは、動きやすく上品に見えると、親友に以前褒められたものだ。
昨夜は緊張でなかなか寝つけなかったのに、朝は予定時刻より一時間も前に目が覚めてしまった。
嵯峨ホールディングス札幌支社は大通公園駅からほど近い場所にある。
混み合う地下通路を抜けて地上に出ると、真新しいガラス張りの十階建てのビルには大勢の人が出入りしていた。
受付で名乗ると、すぐに眼鏡をかけた三十代半ばくらいの男性がやってきた。
「おはようございます。早いですね、秘書室長の渕上です。これからよろしくお願いします」
「おはようございます。初めまして、武居希和と申します。今日からどうぞよろしくお願いいたします」
内心の焦りと緊張を無理やり押さえつけて、挨拶をする。
きっとこの人が私の直属の上司になるのだろう。
「申し訳ないのですが現在会議中ですので、少し待っていただけますか?」
「はい」
むしろ会議を抜けて迎えにきていただき申し訳ない。
仕事内容についての説明も会議後に、と言われ、なぜか広い個室に案内された。
室内は上品で落ち着いた内装にまとめられ、正面には大きな木製の机が置かれている。
すぐそばにあるソファに座って待つよう言い残して、渕上さんは慌ただしく出て行った。
眩しい日差しに、目を細める。
今日は勤務初日だ。
今朝、久しぶりに袖を通した明るい紺色のノーカラージャケットのスーツは、動きやすく上品に見えると、親友に以前褒められたものだ。
昨夜は緊張でなかなか寝つけなかったのに、朝は予定時刻より一時間も前に目が覚めてしまった。
嵯峨ホールディングス札幌支社は大通公園駅からほど近い場所にある。
混み合う地下通路を抜けて地上に出ると、真新しいガラス張りの十階建てのビルには大勢の人が出入りしていた。
受付で名乗ると、すぐに眼鏡をかけた三十代半ばくらいの男性がやってきた。
「おはようございます。早いですね、秘書室長の渕上です。これからよろしくお願いします」
「おはようございます。初めまして、武居希和と申します。今日からどうぞよろしくお願いいたします」
内心の焦りと緊張を無理やり押さえつけて、挨拶をする。
きっとこの人が私の直属の上司になるのだろう。
「申し訳ないのですが現在会議中ですので、少し待っていただけますか?」
「はい」
むしろ会議を抜けて迎えにきていただき申し訳ない。
仕事内容についての説明も会議後に、と言われ、なぜか広い個室に案内された。
室内は上品で落ち着いた内装にまとめられ、正面には大きな木製の机が置かれている。
すぐそばにあるソファに座って待つよう言い残して、渕上さんは慌ただしく出て行った。