再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
悟己はこの短い時間に惺さんにすっかり懐き、惺さんも悟己をとても可愛がっている。
引っ越し作業を終え、夕食を済ませて自宅に戻ってきた後、父親と風呂に入り終始ご機嫌な様子で息子は眠りについた。
ひとりで眠るのを嫌がるかと思いきや、子ども部屋が気に入ったらしく喜んでいた。
だけど、寂しくなったらママのところに行くと小さな声で言われて少し安心してしまった。
あまり早く大人にならないでと願うのは親の身勝手かな、と独り言ちる。
息子の部屋をふたりでそっと出て、ドアを閉めると、惺さんが私の手を握りしめた。
「婚姻届の話をしたい」
「……わかったわ」
リビングに並んで座り話を聞くと、来週半ばには婚姻届を提出しに行こうと言われた。
「仕事があるからすぐには返事ができないわ」
「沢野井さんにはお願いしてある」
「え? なんで、惺さんが春香さんに?」
「昨夜お会いしてこれまでの感謝とお詫びを伝えてきた。結婚して今後の生活に責任を取る旨も伝えた」
突然の事態に頭痛を覚えた。
なぜ自分ひとりで色々な事柄を進めてしまうのだろう。
「どうして、勝手にひとりで全部決めるの……?」
「効率的に動いただけだ。沢野井さんの件は俺に責があるから特に」
「家族になろうというのに、そんなビジネスライクな言い方をしないで」
思わずきつい声が出る。
引っ越し作業を終え、夕食を済ませて自宅に戻ってきた後、父親と風呂に入り終始ご機嫌な様子で息子は眠りについた。
ひとりで眠るのを嫌がるかと思いきや、子ども部屋が気に入ったらしく喜んでいた。
だけど、寂しくなったらママのところに行くと小さな声で言われて少し安心してしまった。
あまり早く大人にならないでと願うのは親の身勝手かな、と独り言ちる。
息子の部屋をふたりでそっと出て、ドアを閉めると、惺さんが私の手を握りしめた。
「婚姻届の話をしたい」
「……わかったわ」
リビングに並んで座り話を聞くと、来週半ばには婚姻届を提出しに行こうと言われた。
「仕事があるからすぐには返事ができないわ」
「沢野井さんにはお願いしてある」
「え? なんで、惺さんが春香さんに?」
「昨夜お会いしてこれまでの感謝とお詫びを伝えてきた。結婚して今後の生活に責任を取る旨も伝えた」
突然の事態に頭痛を覚えた。
なぜ自分ひとりで色々な事柄を進めてしまうのだろう。
「どうして、勝手にひとりで全部決めるの……?」
「効率的に動いただけだ。沢野井さんの件は俺に責があるから特に」
「家族になろうというのに、そんなビジネスライクな言い方をしないで」
思わずきつい声が出る。