再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
「希和?」
様子を窺うように名前を呼ばれて、我に返る。
「ごめんなさい。良かれと思って行動してくれたのに、ひどい言い方をして」
結局臆病な私は自分の心を守って、逃げ道を確保してしまう。
「いや、希和の意見が正しいから、謝らなくていい。……相談だが、入籍後に俺たちの両親にきちんと報告をしたいんだがいいか?」
相談という単語を選択してくれた心遣いが、嬉しかった。
「でも、惺さんのご両親には反対されるんじゃ……私の両親にも詳細は話していないから」
「両親はこの数年の俺の憔悴ぶりを知っているし、悟己に会わせろときっと大喜びするはずだ。希和のご両親にはきちんと家族三人でご挨拶に伺おう。お前を追い込んだのは俺だし、謝罪させていただきたい。希和はなにも悪くない、心配するな」
ギュッと両手で私の両手を包み込む。
伝わる体温と柔らかな視線に、両親との複雑な状況をすでに知っているのだと察した。
ああ、なんで全部わかってしまうのだろう。
同じように私もわかればいいのに。
いつまでも煮え切らない、こんな自分が大嫌いだ。
様子を窺うように名前を呼ばれて、我に返る。
「ごめんなさい。良かれと思って行動してくれたのに、ひどい言い方をして」
結局臆病な私は自分の心を守って、逃げ道を確保してしまう。
「いや、希和の意見が正しいから、謝らなくていい。……相談だが、入籍後に俺たちの両親にきちんと報告をしたいんだがいいか?」
相談という単語を選択してくれた心遣いが、嬉しかった。
「でも、惺さんのご両親には反対されるんじゃ……私の両親にも詳細は話していないから」
「両親はこの数年の俺の憔悴ぶりを知っているし、悟己に会わせろときっと大喜びするはずだ。希和のご両親にはきちんと家族三人でご挨拶に伺おう。お前を追い込んだのは俺だし、謝罪させていただきたい。希和はなにも悪くない、心配するな」
ギュッと両手で私の両手を包み込む。
伝わる体温と柔らかな視線に、両親との複雑な状況をすでに知っているのだと察した。
ああ、なんで全部わかってしまうのだろう。
同じように私もわかればいいのに。
いつまでも煮え切らない、こんな自分が大嫌いだ。