再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
「蔵元専務からの連絡を受けてすぐここに向かったんだ……間に合ってよかった」
眉根を寄せ、つらそうな表情で告げる。
さらに惺さんはすぐさまトラブル回避のため各方面に指示を出していたという。
絶対に訴える、と惺さんは怒りを露にする。
ちょうど信号が赤に変わったので、彼の腕に手を添えて小さく首を横に振る。
彼女の行為は許せないし腹も立つ。
でも舘村さんも樋浦さんも本気だったのかもしれない。
ただ、方法や向き合い方を間違えてしまった。
「甘い考えとわかるけれど、できればこれ以上大事にしたくないの。……好きな人をどうしても振り向かせたい気持ちが少しはわかるから。だけど今回の件は先輩も惺さんも関わっているから私の一存では決められないわ」
小声で伝えると彼は一瞬目を見開き、ハンドルに額を寄せた。
「希和はなんでそんなにお人よしなんだ。お前に強引に迫って受け入れてもらった俺も似たようなものだが……」
自覚があったのかと思わず苦笑する。
「とりあえずこの件は蔵元専務に報告して改めて対応を検討する。まさか写真や動画を自ら撮って送りつけるなんて、安易で幼稚な真似をすると思わなかったな」
顔を上げた彼が不機嫌そうに口にする。
舘村さんらしき人が周囲を探っていたのは知っていたそうだ。
舘村さんは白鳥さんの存在を知り、接触してそそのかしたらしい。
眉根を寄せ、つらそうな表情で告げる。
さらに惺さんはすぐさまトラブル回避のため各方面に指示を出していたという。
絶対に訴える、と惺さんは怒りを露にする。
ちょうど信号が赤に変わったので、彼の腕に手を添えて小さく首を横に振る。
彼女の行為は許せないし腹も立つ。
でも舘村さんも樋浦さんも本気だったのかもしれない。
ただ、方法や向き合い方を間違えてしまった。
「甘い考えとわかるけれど、できればこれ以上大事にしたくないの。……好きな人をどうしても振り向かせたい気持ちが少しはわかるから。だけど今回の件は先輩も惺さんも関わっているから私の一存では決められないわ」
小声で伝えると彼は一瞬目を見開き、ハンドルに額を寄せた。
「希和はなんでそんなにお人よしなんだ。お前に強引に迫って受け入れてもらった俺も似たようなものだが……」
自覚があったのかと思わず苦笑する。
「とりあえずこの件は蔵元専務に報告して改めて対応を検討する。まさか写真や動画を自ら撮って送りつけるなんて、安易で幼稚な真似をすると思わなかったな」
顔を上げた彼が不機嫌そうに口にする。
舘村さんらしき人が周囲を探っていたのは知っていたそうだ。
舘村さんは白鳥さんの存在を知り、接触してそそのかしたらしい。