再縁恋～冷徹御曹司の執愛～
「自分の婚約者を希和に奪われたとか、白鳥さんを希和は想っているが悟己の件もあり仕方なく結婚するしかなかったなどと自分に都合の良い話を吹き込んだのだろう」


そういえば、白鳥さんはある人から話を聞いたと言っていたっけ。


樋浦さんと舘村さんに、何年も用意周到な包囲網を張り巡らされていたなんて……考えると恐怖で再び体が強張る。

自分の危機管理の甘さに反省しかない。

こんな私では彼を守れない。

もっと成長しなければ。

さらに白鳥さんの想いにも気づけずにいた。

巻き込んで傷つけて、本当に申し訳ない。


「迷惑をかけてしまったし、白鳥さんに謝りたいわ」


「お前に迫った時点で、あの男が悪い」


「迫られていないわよ、話をしていただけ」


「でも、アイツには下心があっただろう？　……俺の希和なのに」


そう言って彼が私に向き直り、頬に長い指で触れる。

突然の甘い仕草に、鼓動がひとつ大きな音を立てた。


「あ、あの写真は外部に出ていないって……本当？」


「ああ。流出させる気だっただろうが、俺のもとに来た時点でシステム管理部が対応したから大丈夫だ。そもそも捏造したものだからな」


焦って話題を変えた私の反応を楽しむように、私の髪をひと房長い指でつまんで口づける。
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