再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
「舘村さんと樋浦さんは……今後どうなるの?」


改めて検討をと聞いたばかりだが、やはり気になって再度尋ねた。


「本人に相応の制裁を受けてもらいたい。俺としては同じような目に合わせて警察沙汰にしたいが……」


希和は嫌なんだろ?と困ったように尋ねられ、小さくうなずいた。


「でも自分の行いはきちんと反省してほしいし、同情する気はないの。私は惺さんと悟己と三人で幸せな毎日を送りたいだけ」


「……本当に、お前には敵わない」
 

そう言って私の頭を撫で、信号が変わったのを確認して車を動かした。


「ずっと私と悟己を守ってくれてありがとう」


「妻を守るのは当たり前だ」
 
素っ気ない言い方だったが、私はこの人の優しさを嫌というほど知っている。

私の危機にすぐ駆けつけて助けてくれた姿を思い出し、胸が詰まった。

自宅に帰り、リビングに足を踏み入れ、今では見慣れた我が家の光景に安心感がこみあげた。

私の家は、居場所は、ここだ。


「希和、顔色は少し良くなったが無理をするな。少し寝室で横になって……」
 

ダイニングルームでお湯を沸かしていた彼が近づいてきた瞬間、広い胸にしがみついた。


「……希和? どうした?」
 
心配そうな声と背中を撫でる大きな手が愛しくて、鼻の奥がツンとした。
 

泣いちゃダメ。


伝えなくちゃいけない言葉があるでしょう?
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