再縁恋~冷徹御曹司の執愛~

13.ともに歩む毎日を

「ママ、綺麗!」


控え室にやってきた悟己が、興奮した声を上げる。


「ありがとう」


ウエディングドレスに身を包んだ自身の姿を鏡越しにちらりと見て、息子の少し大きくなった体を抱きしめた。
 
今日は惺さんと私の結婚式だ。

舘村さんの騒動から半年近くが経った。

舘村家は以前までの勢いを失い、経営している会社の業績も悪化しているという。

嵯峨家が舘村家との取引や関りをすべて断ったのが致命傷だったらしい。

奈央さんは親族から一連の責任を押し付けられ、勘当同然の扱いを受けて遠縁の家へ預けられたという。

樋浦家は没落し、会社も人手に渡ったそうだ。

蔵元家にも見限られ恵理さんはショックに耐え切れず、体を壊し療養中だという。

どうか打算と誰かを傷つけるだけの恋愛は繰り返さず、新たな人生を生きてほしいと思う。

こんな話を惺さんにすれば、お人よしとまた呆れられるだろうけれど。
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