再縁恋～冷徹御曹司の執愛～
白鳥さんには改めて巻き込んだ謝罪と気持ちには応えられない旨を伝えた。

ふたりで会うのを惺さんが反対したため、春香さんの店で閉店後に話をした。

惺さんたっての願いで、春香さんが離れた場所で見守ってくれていた。


『時折悲しそうな表情をする武居さんを、僕の手で幸せにしたかったんです』


率直に伝えられた言葉に小さく首を横に振った。


『ありがとうございます。でも私は愛する夫と一緒に生きていきます。白鳥さんが近い将来、素敵な人に出会われるように祈っています』


残酷かもしれないが、正直な思いを伝えた。

梨華ちゃんは今も変わらず悟己と仲良くしてくれているのが、ありがたい。
　
春香さんには落ち着くまで休みなさいと言われた。

店への迷惑を謝ると逆に叱られ、温かい気持ちがあふれて泣きたくなった。
　
そして、惺さんと私は自分の気持ちを我慢したり、誤魔化さずに素直に話す約束をした。

恥ずかしさはあるけれど、お互いへの想いも率直に伝えようと決めた。

ひとつひとつの出来事をこれから手を取り合って積み重ねていこうと誓い合った。
　
意見がぶつかるときもあるが、話し合い、仲直りを繰り返し、幸せな毎日を過ごしている。
< 196 / 200 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop