再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
『希和、結婚式を挙げよう』
数カ月前、ふたりで悟己を寝かしつけてリビングに戻ると惺さんに提案された。
結婚式?
戸惑っていると、隣に座る彼に肩をそっと抱き寄せられた。
『家族や親しい友人だけを呼んで温かい式を挙げたいんだ』
『突然どうしたの? 惺さんの立場なら大勢の方々を招待すべきじゃないの?』
『突然じゃない、入籍してからずっと考えていた。取引先を招待するような披露宴は後日ゆっくり考えて行えばいい』
慌てる私とは対照的に、落ち着いた様子で告げる。
『希和のウエディングドレス姿を見たいし、親しい人にきちんとケジメとして発表したいんだ。俺の我がままをきいてくれないか?』
結婚式を考えなかったわけじゃ、憧れなかったわけじゃない。
でも私たちの結婚は様々な事情が絡まっていたから無理だろうと思っていた。
『我がままだなんて……』
私の願いに、なんであなたは気づくの?
自分の我がままだと優しい嘘までついてくれた惺さんの想いに、胸が震えた。
『俺と結婚式を挙げてくれませんか?』
いつかのように優しく尋ねる彼の胸に、うなずいてしがみついた。
『……すぐ泣く。結婚式が心配だな』
困ったように優しく言いながら、こめかみにキスを落とす惺さんを心から愛しいと思った。
数カ月前、ふたりで悟己を寝かしつけてリビングに戻ると惺さんに提案された。
結婚式?
戸惑っていると、隣に座る彼に肩をそっと抱き寄せられた。
『家族や親しい友人だけを呼んで温かい式を挙げたいんだ』
『突然どうしたの? 惺さんの立場なら大勢の方々を招待すべきじゃないの?』
『突然じゃない、入籍してからずっと考えていた。取引先を招待するような披露宴は後日ゆっくり考えて行えばいい』
慌てる私とは対照的に、落ち着いた様子で告げる。
『希和のウエディングドレス姿を見たいし、親しい人にきちんとケジメとして発表したいんだ。俺の我がままをきいてくれないか?』
結婚式を考えなかったわけじゃ、憧れなかったわけじゃない。
でも私たちの結婚は様々な事情が絡まっていたから無理だろうと思っていた。
『我がままだなんて……』
私の願いに、なんであなたは気づくの?
自分の我がままだと優しい嘘までついてくれた惺さんの想いに、胸が震えた。
『俺と結婚式を挙げてくれませんか?』
いつかのように優しく尋ねる彼の胸に、うなずいてしがみついた。
『……すぐ泣く。結婚式が心配だな』
困ったように優しく言いながら、こめかみにキスを落とす惺さんを心から愛しいと思った。