再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
マンションの一室には甘い声とみだらな音が絶え間なく響く。


「――相変わらず、敏感だな」


熱い息を吐く私を、満足そうに見下ろす(さとる)さんの額には、汗が滲んでいる。

首筋を甘噛みされ、舌で鎖骨に触れる。

大きな手によって形を変える胸を見る余裕はない。


「……離れている間、誰かに触れさせたか?」


胸元に所有印を散らせた彼が、淡々と尋ねる。

感じすぎた体のせいで、思うように言葉を紡げない。


「答えて」


覗き込む顔は、怖いくらいに真剣だ。


世界に名を轟かせる嵯峨ホールディングス副社長、嵯峨(さが)惺が、四年間私を捜していたという噂は事実なの?


現在三十歳の、捨てた元秘書を一体どうして?


「してない、なにもっ……」


思い出にしたはずなのに、触れられた体は過去に与えられた刺激を正確に記憶していた。


「本当に? まあ、いい。これから全部確認する」


物騒な台詞を口にして、再び胸元に唇を寄せる。

チクリとした痛みに肩がピクリと跳ねた。


「感じやすさは変わらないな。少し痩せた……か?」


大きな手が、胸のすぐ下から脇腹をスッと撫でる。

同時に唇でも触れられて、甘いしびれが体にはしる。

ゆっくりと高められた体は熱を溜めこみ、些細な刺激にすら腰が揺れる。
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