再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
「……無理をするな、お前のほうが顔色が良くない。昼食ついでに休め。倒れられたら困る」
素っ気ない物言いがじわりと心に染みこみ、胸の奥がふわりと温かくなった。
「ありがとう、ございます」
気遣ってもらえたのが嬉しくて、こんな状況なのに心が弾んでしまう。
熱をもつ頬を隠すように一礼し、部屋を出た。
渕上さんにも休憩をとるよう促され、外出許可をもらって地下街にあるパン屋に向かった。
ここは様々な種類の具材を挟んだパンがあり、私のお気に入りの店だ。
いつもは自分のパンを選ぶのに必死なのに、今日は違う心持ちだった。
帰社して、渕上さんに事情を伝えると、驚きながらも執務机に置くようアドバイスをもらった。
親切の押し売り、好感度アピールだと思われないか、何度も自問自答した。
余計な真似をするなと突き返されるのは怖いけれど、副社長の言葉が嬉しかったし、心配だからと自分に言い聞かせた。
憧れも含め、彼の存在が日増しに大きくなるのを、もう否定できなかった。
その後、自分の食事を済ませ、休憩を終え自席で仕事を再開した。
「お疲れ様です。副社長はすべて召し上がっていましたよ。武居さんからだとお伝えしたら驚かれていました」
渕上さんが楽しそうに口角を上げて、教えてくれた。
「なにか、おっしゃっていましたか?」
「武居さんの食事の心配をされていました」
意外過ぎる返答に目を見張ると同時に、心の奥がくすぐったくなった。
素っ気ない物言いがじわりと心に染みこみ、胸の奥がふわりと温かくなった。
「ありがとう、ございます」
気遣ってもらえたのが嬉しくて、こんな状況なのに心が弾んでしまう。
熱をもつ頬を隠すように一礼し、部屋を出た。
渕上さんにも休憩をとるよう促され、外出許可をもらって地下街にあるパン屋に向かった。
ここは様々な種類の具材を挟んだパンがあり、私のお気に入りの店だ。
いつもは自分のパンを選ぶのに必死なのに、今日は違う心持ちだった。
帰社して、渕上さんに事情を伝えると、驚きながらも執務机に置くようアドバイスをもらった。
親切の押し売り、好感度アピールだと思われないか、何度も自問自答した。
余計な真似をするなと突き返されるのは怖いけれど、副社長の言葉が嬉しかったし、心配だからと自分に言い聞かせた。
憧れも含め、彼の存在が日増しに大きくなるのを、もう否定できなかった。
その後、自分の食事を済ませ、休憩を終え自席で仕事を再開した。
「お疲れ様です。副社長はすべて召し上がっていましたよ。武居さんからだとお伝えしたら驚かれていました」
渕上さんが楽しそうに口角を上げて、教えてくれた。
「なにか、おっしゃっていましたか?」
「武居さんの食事の心配をされていました」
意外過ぎる返答に目を見張ると同時に、心の奥がくすぐったくなった。