再縁恋~冷徹御曹司の執愛~
私を横抱きにしたまま、彼が向かったのは寝室だった。

以前、惺さんを看病した大きなキングサイズのベッドの真ん中にそっとおろされる。

熱くなった肌に触れる冷たいシーツが気持ちいい。

自身の体で私を覆うようにして、彼もベッドに上がる。


「ずっと大事にする。だからお前の全部を俺にくれ」


優しい手つきで髪を梳かれ、生え際、額にキスが落ちる。

耳に響く真摯な声が切なくて愛しくて、鼻の奥がツンとした。


「あなたが、好き」


それ以外、なにを言えばこの想いの全部が伝わるだろう?


恐る恐る伸ばした手を大きな手が包み込み、指先に落とされた甘いキスに心が震えた。


「抱くぞ」


一瞬で色香を増した目が私を射抜く。

嚙みつくような深い口づけに呼吸さえも奪われていく。

長い指が私のジャケットを落とし、ブラウスのボタンも器用に外していく。

激しいキスは途切れずに下唇を甘噛みされ、何度も角度を変えて口づけられる。


「綺麗な肌だな」


下着姿になった私を惺さんが目を細めて見つめる。

恥ずかしさに隠そうとすると、長い腕が阻む。

「お前の手はここ」


そう言って、私の腕を自身の首にゆったりと絡ませる。

さらに耳や首筋を甘噛みし、鎖骨に長めのキスをする。

赤い花が鮮やかに咲いていく。
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